
はじめに:その「転記作業」、本当にあなたの仕事ですか?
こんにちは!フィアクレー技術担当のGo先輩です。
週末はソロキャンプで焚き火を眺めながら、デジタルデトックスをしてきました。自然の中でコーヒーを飲むと、「本当に大切な時間は何なのか」を再確認できます。
さて、週明けのオフィスに戻ると、こんな現実に直面していませんか?
- 届いた請求書をダウンロードして、フォルダに保存して、名前を変える…。
- メールの内容をコピーして、スプレッドシートに貼り付ける…。
- 「あの件どうなってる?」と聞かれて、チャット履歴を必死に探す…。
バックオフィスのみなさん、本当にお疲れ様です。
でも、もしその「繰り返し作業」を、Googleが代わりにやってくれるとしたらどうでしょう?
今回は、事務作業の救世主となりうる「Google Workspace Studio」について、エンジニアの視点から、極力わかりやすく解説します。
1. そもそも「Workspace Studio」って何?
「自動化ツール」と聞くと、「プログラミングが必要なんでしょ?」「難しそう…」と身構えてしまいますよね。
安心してください。Workspace Studioを一言で表すと、
「Googleのアプリ同士をつなぐ、賢い接着剤」です。
これまで、GmailはGmail、スプレッドシートはスプレッドシートで、別々に動いていました。その間をつないでいたのは、あなた自身の手作業(コピペ)でした。
Workspace Studioは、ここに「流れ(フロー)」を作ります。
- 今まで:
人間がメールを見る → 人間が添付ファイルを開く → 人間がドライブに保存する - これから:
AIがメールを検知 → 自動でドライブに保存 → ついでにチャットで報告
このように、アプリ間のバトンタッチを自動化する仕組みです。特に最近はGoogleのAI(Gemini)と連携することで、以前よりずっと設定が直感的になっています。
2. 中小企業のバックオフィスでこそ輝く!活用事例3選
「すごいのはわかったけど、具体的に何ができるの?」
そんな声にお応えして、今日から真似したくなる具体的な活用シーンを3つご紹介します。
① 経理担当へ:「請求書処理」の完全自動化
月末の請求書処理、大変ですよね。
- 【Before】 取引先から届く「請求書在中」のメールを一件ずつ開き、PDFをダウンロードし、リネームしてドライブに保存。さらにスプレッドシートの管理表に金額を入力。
- 【After】 特定の件名やアドレスからメールが届くと、Studioのフローが自動でPDFをドライブの指定フォルダに保存。さらに、AIがファイルの中身を読み取って、「会社名」「金額」「日付」をスプレッドシートに勝手に記入してくれます。
あなたは最後に、入力内容に間違いがないかチェックするだけ。これだけで毎月数時間の時短になります。
② 人事・総務へ:「入社手続き」のワンストップ化
新しい方が入社する時、いくつものツールを行ったり来たりしていませんか?
- 【Before】 入社連絡を受けたら、カレンダーに入社日を登録し、ウェルカムメールの下書きを作り、ToDoリストに「PC手配」を追加する。
- 【After】 フォームに「入社予定者情報」を入力するだけで、カレンダー登録・メール下書き作成・タスク登録が同時に完了。
「うっかり忘れ」を防げるので、新入社員の方をスムーズに迎えることができます。
③ 営業事務へ:「問い合わせ対応」のスピードアップ
お客様からの問い合わせメール、担当者への振り分けで消耗していませんか?
- 【Before】 メールを読んで、「これはAさん担当」「これはBさん」と判断し、Chatでリンクを貼り付けて連絡。
- 【After】 メールの内容をAIが判断。「見積もり依頼」なら営業チームのスペースへ、「技術質問」なら開発チームのスペースへ、内容の要約付きで自動通知。
3. 利用にはどのプランが必要?(無料版は使える?)
ここで一つ、大事な注意点です。
キャンプに行くのにテントが必要なように、この便利な機能を使うには「適切なGoogle Workspaceのプラン」が必要です。
残念ながら、個人の無料アカウント(@gmail.com)では、ビジネス向けの高度な自動化機能は利用できません。
以下に、機能対応表をまとめました。
| プラン / エディション | 自動化の利用 | おすすめ度 | 備考 |
| 無料個人アカウント (@gmail.com) | ❌ | 対象外 | 基本的なマクロ程度なら可能ですが、 業務フローの構築はできません。 |
| Business Starter | △ | 要確認 | 基本的な機能は使えますが、 高度な連携に制限がある場合があります。 |
| Business Standard | ⭕ | おすすめ | AppSheet Automationの基本機能が利用可能ですが、高度なAI連携にはGemini for Workspaceアドオンが必要です。 |
| Business Plus Enterprise 各種 | ◎ | 最適 | より高度なセキュリティと管理下で 自動化を運用できます。 |
| Gemini for Workspace (アドオン契約) | ✨ | 最強 | 上記プランに追加することで、 AIによる読取や文章生成が可能になります。 |
【Workspace Studioを利用するには】
管理者画面より、生成AI>Gemini for Workspace>アルファ版機能より、アルファ版機能をOnに設定する必要があります。(下記画面を参照)

4. なぜ今、取り組むべきなのか?
「今のやり方でも、なんとか回っているから…」
そう思う気持ちもわかります。新しいことを覚えるのは大変ですからね。
しかし、少子高齢化で人手不足が進む今、「人間しかできない仕事」に時間を使うことが、会社の成長、そして何よりあなた自身の働きやすさに直結します。
Workspace Studioなどの自動化ツールは、決してあなたの仕事を奪うものではありません。
あなたが「定時で帰って、プライベートや家族との時間を大切にする」ための、頼れるパートナーなんです。
5. まずは「小さな面倒」から無くしましょう
いきなり業務すべてを自動化する必要はありません。
「毎朝のこの通知、自動にならないかな?」
そんな小さな「面倒」から始めてみませんか?
フィアクレーでは、Google Cloudのプロフェッショナルとして、技術的な導入支援はもちろん、「御社の業務なら、ここを自動化すると一番楽になりますよ」という業務整理のアドバイスから行っています。
「うちの会社の場合はどうだろう?」
少しでも気になったら、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社フィアクレーでは、「AI活用業務効率化支援サービス:VK Assist」で企業の皆様の悩み課題解決の支援をしておりますので、あわせてご確認ください。

